教員採用試験対策 独学ノート 

平成28年度採用(27年度実施)を独学で成功させるための日々是修行

【教員試験採用対策】 第二次選考報告および対策勉強 総整理

過日、志望自治体の教員採用試験第二次選考を終えた。

 

 

後は、「人事を尽くして天命に遊ぶ』に徹するとしよう。

 

 

この慣用句、本来の「待つ」を「遊ぶ」と言い換え座右の銘としているのは、とある政治家から引用させてもらった。

おう、そういや、この言葉が好きで机に取っておいたんだ。「人事を尽くして天命に遊ぶ」。「天命を待つ」「天命に従う」が普通の言葉なんだよ。これは自分で自分に期待感がこもるだろ。自分のいいように天命が回ってくりゃいい、と。〔中略〕スケベ根性を起こしちゃダメだっつってんだよ。人事を尽くすことが大事。(石川知裕『悪党―小沢一郎に仕えて』2011,p.229‐230)

 

 

 

では、遊ぶ前の総整理として、二次選考対策として何に取り組んだかを挙げたい。

 

 

 

〔二次試験対策〕

①『模擬授業・場面指導 (教員採用試験αシリーズ) 』 野口 芳宏 一ツ橋書店 (★★★☆☆)

模擬授業・場面指導 (教員採用試験αシリーズ)

模擬授業・場面指導 (教員採用試験αシリーズ)

 

 二次試験対策として、大抵どの自治体受験者も「模擬授業」に悩むと思う。模擬授業って一体何、という疑問を払拭するために、その基本書として本書を購入し読みこんだ。

 模擬授業編と場面指導編に分かれており、内容は基礎中の基礎、つまり模擬授業をする上での心構え程度と見積もった方がよい。授業の概念から始まり、教師の話し方やチョークの持ち方、机間巡視の仕方と話は進む。学習指導案の事例もある。

 しかし、受験者は教育実習を経験しており、以上に関する内容はおおかた復習の意味を持つが、肝心の“模擬授業の具体的のテクニック”は全く載っていない。そもそも模擬授業という試験内容は、自治体別に形式が異なっており、課題や時間、生徒役の有無など正直試験当日になってみないと分からないのが現状だ。

 場面指導編は、生徒や保護者、地域対応の基本と実践が述べられているが、これもまた課題内容が変われば、対応も変わるのが当たり前で、すべてに通暁することは難しい。

 あくまで二次試験対策のための導入程度の本であると割り切って、一度二度読んだら、模擬授業の具体的な構想を考えたほうがよい。

 

 

②『澤井陽介の社会科の授業デザイン』 澤井陽介 東洋館出版社 (★★★★☆)

澤井陽介の社会科の授業デザイン

澤井陽介の社会科の授業デザイン

 

 

③『社会科教育実践ハンドブック』 全国社会科教育学会編 明治図書 (★★★☆☆)

社会科教育実践ハンドブック

社会科教育実践ハンドブック

 

 

④『新 社会科教育学ハンドブック』 社会認識教育学会編 明治図書 (★★★☆☆)

新 社会科教育学ハンドブック

新 社会科教育学ハンドブック

 

 

 ②~④に関しては、いわゆる「社会科とは何か」の疑問を学会研究や実践例をもとに把握する上で読んだ。社会科という教科の特性を全く知らないなら必読であるが、大学の教員養成課程や教職課程で学んだことのある受験者にとっては、既知の内容も多かろう。僕自身は、大学で教員養成課程を修めたが、教科としての社会科を系統的に学ぶことより、本来なら文学部哲学科が取り組む方面の研究内容に興味をもってしまい、こちらの勉強が疎かだったのは否めない。その意味では、今回の試験を機に総復習させてもらった。

 社会科は小学校3年生から始まり、高等学校では地理歴史科・公民科と発展する中で、もちろん対象校種による授業の変質がある。誰もが小学生の時の社会科と、定期テストが始まり高校受験を意識した中学生時代の社会科と、大学受験に向けての分野別の社会科の違いを振り返ってみれば分かる。

 しかし、上記した三冊に通じる事として、やはり社会科の本質が存在することは紛れもない。それは、社会的事象に対しての興味関心・疑問から発生する探究心そのものであり、どう社会科を有意義な教科に深化させるかという教育的実践である。

 正直に言えば、模擬授業対策のために直結して活用できるのは、③『澤井陽介の社会科の授業デザイン』である。もちろん、模擬授業のネタ帳的な本ではないのだが、社会科授業の核となる、「学習問題」の類型を詳しく解説しているのは一見の価値がある。澤井氏は小学校での実践を例にとるが、中学高校における授業での考えさせるための発問を知る上でも役に立つ。そして、人間として社会的事象に対する考察方法のメソッドとしても十分成り立つと思う。

 

 

⑤『某予備校での二次試験対策講座』 (★★★★☆)

 一次試験が終了し合否が分かった後、合格者のみ対象とする二次試験対策講座が自治体別に開催される。以前からその予備校の講座に関する資料請求をしておりパンフレットが家にあった。講座内容は詳しく書かれてはいないのだが、一次が合格したからには、やり残したことの無いようにしたかったため、受講料は高かったが(合格すりゃそりゃ安いけど)受けた。

 

 

 率直言おう、これは受けるべきである。

 

 

 ただし、新卒生や講師経験者で、自分の周りに教採仲間がおり、ゼミやサークルなどで対策出来る人はそれでいいと思う。それ以外、つまり僕みたいに独学している人には必ず役に立つ。

 理由はもちろん言えない。言うならばおそらく詳細に触れなくてはいけないので、業務妨害になる(笑)。

 ただ言えることは、大抵の受講者が予備校のプロ講師からけちょんけちょんに批判される。これが良いことかどうかは教員を目指すあなた自信が考えたら良い。

 

⑥『教員採用のカラクリ「高人気」職のドタバタ受験事情』石渡嶺司(中公新書ラクレ)(★★★★☆)

 

教員採用のカラクリ 「高人気」職のドタバタ受験事情 (中公新書ラクレ)
 

  これから教員採用試験を受けようと考えている人におすすめ。読めば分かる。

 

 

 以上が、第二次選考報告および対策勉強 総整理である。

 面接や模擬授業、実践課題などの具体的な方法論は、僕が合格したら天狗になって(笑)またの機会にまとめたい。

 

【教員採用試験対策】 筆記試験対策勉強 総整理【専門教養(社会科③)】(やったこと一覧)

それでは、〔政治経済〕〔倫理〕について述べよう。

 

 

〔政治経済〕

①『理解しやすい政治・経済改訂版』 松本保美編 文英堂 (★★★★☆)

②『短期集中完成スピードチェック政治経済』 大塚哲 学研 (★★★★☆)

③『政治経済資料』 とうほう (★★☆☆☆)

 まず、①を一単元熟読する。次に②をその単元に対応した問題を解く。②で間違えた箇所および追加情報を①にマークおよび加筆する。③は適宜詳細情報を確認したいときに参照する。この順序で約1カ月強かかったがこなすことができた。②に関して言えば、スピードチェックとなっているが、かなり踏み込んだ最新情報(僕が持っている2010年発行版現在で)もあり、良い意味でやり応えのある問題集だった。大学受験で政経は使用しなかったせいか、なかなかつまづきが多い分、逆に政経を学び直すことで、日々新聞を読む中で理解できる記事が多くなったのも確か(笑)。特にアベノミクスの行う意義がよく理解できた、遅いか…。

 

 

〔倫理〕

①『センター試験 倫理の点数が面白いほどとれる本』 蔭山克秀 中経出版 (★★★★☆)

②『倫理用語集』 濱井修監修 小寺聡編 山川出版社 (★★★☆☆)

 ①の参考書は、以下のような事情もあり現在新品は売っていない。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 上記の事情は兎も角、僕は①に関しては、信者というべきほど信頼している参考書である。この本に出会ったお陰で、大学入試センター試験の倫理ではたしか9割以上得点できたし、何より思想や哲学といった学問への興味関心の第一歩になった。②はより深く掘り下げたいときに参照する。倫理分野は『教職課程』での問題以外は手をつけなかったが、この2点を精読することで、実際の専門教養ではミスがなかった。ついでに述べるなら、倫理分野は教職教養の教育思想史に多く関係しており、この知識が向こうの範囲でも大いに役に立った。

 

以上が〔政治経済〕〔倫理〕の整理である。

そして、今回を持って第一次選考(筆記)対策の総括を終える。

 

次回からは、二次選考のための対策、社会科での考察を中心に記事を記したい。

【教員採用試験対策】 筆記試験対策勉強 総整理【専門教養(社会科②)】(やったこと一覧)

さて、次は日本史と地理だ。

 

〔日本史〕

①『詳説日本史ノート』 詳説日本史ノート編集部編 山川出版社 (★★★☆☆)

 世界史で活用した①と同じ。昨年度受験の際に使用。世界史との異なる点は、僕が高校時代に履修していなかったこと。正直、中学での日本の歴史の発展程度だろうとレベルを見積もっていた自分を反省した一冊でもある。高等学校日本史の奥深さを知った一冊。やはり、この一年ではお蔵入りした。

 

②『NEW石川日本史B講義の実況中継①~⑤』 石川晶康 語学春秋社 (★★★★☆)

 語学春秋社の出す実況中継の日本史版である。これも日本史参考書でおそらく1、2を争う有名な書籍。何より、日本史のしょっぱなとして読み始めて最後まで参照した。世界史の活用度より★がひとつ多くしたのも、それが理由だ。CD講義を聞いて感じたのは、石川先生の方がダジャレや与太話が多い。これも新版が出ており気になる。

 

③検定教科書『詳説日本史B』 笹山晴生 佐藤信 高埜利彦編 山川出版社 (★★★★☆)

④検定教科書『日本史A』 高村直助 高埜利彦 (★★★☆☆)

⑤『詳説 日本史研究』 五味文彦 高埜利彦 鳥海靖編 山川出版社 (★☆☆☆☆)

⑥『日本史のライブラリー』 とうほう (★★☆☆☆)

 こちらも世界史の教科書とコメントと同様。違いは④の日本史Aの教科書を購入した点だ。日本史Aは、昔は日本史Bを優しくした程度の内容だったらしいが、近年では近現代を中心に、時にはB以上に詳細に記述することを目的としている(他にも違いはある。学習指導要領を参照してほしい)。④を通読して分かったのは、③の脚注を文章内に綺麗に差し込んでいて、より論理的につながる日本史の教科書になっていた。学習指導要領でA、Bの違いを把握するよりも、実際に教科書を見比べた方がより実践的に理解できる。その面では、AB両方の教科書を購入する意義は大いにある。ただ、もっと近現代を詳細にして差別化を図っても良いと個人的には思う。

 

⑦『日本史年代 ワンフレーズnew』 中谷まちよ (監修)中谷臣 パレード (★★★★★)

 世界史での⑦の記述と同様のため割愛。ゴロが若干むりやりなのも笑える。

 

⑧『Winning COM.-PASS 日本史の整理と演習』 とうほう (★★★☆☆)

 こちらも世界史での⑧の記述と同様だが、未履修の僕としては世界史よりも丁寧にこなした。特に、各時代区分の末に“まとめる年表”があり、これは各時代とも2~3回再テストして基礎基本を確実に定着させた。

 

⑨『新編 史料日本史』 とうほう (★★☆☆☆)

 活用度しては★2つだが、日本史勉強には必携の史料集。他の問題集で出題された史料は逐一チェックした。お気に入りは“石井ランシング協定”。石井菊次郎は尊敬すべき人物だ。

 

⑩『叔父さんの講義』 叔父さん (★★★★★)

 意味不明だと思うが、まずは聞いてくれ。僕の父方の叔父が、なかなかの日本史通で、この一年週一で日本史の講義をしてくれた。講義と言っても通史ではなく、人物に焦点を当てたテーマ史だ。毎回、A4一枚にある人物を中心とした系図を作成してくれ、それをもとに人物関係史を展開してくれる。どうしても教科書や参考書では細切れになりがちな人物のつながりを、ある種の家系図で見ることで、意外な関係性や出来事の連鎖性を把握できるのだ。特に、藤原氏の系図勉強は役に立つ。他には天皇と時の権力者との関係など、日本史がいかに天皇中心に形成されてきたかという視点も持てた。教員になったときにぜひとも活用したい教材研究になった。

 

 

〔地理〕

①『山岡の地理B教室 PARTⅠ』『〃 PARTⅡ』 山岡信幸 東進ブックス

②『新詳高等地図』 帝国書院編集部編 帝国書院

③『新編 地理資料』とうほう

④『栄光ワーク 地理Ⅰ』『〃 地理Ⅱ』 株式会社エデュケーショナルネットワーク

 上記①~④に関しては2015年1月6日の記事

agokawasiki.hatenablog.com

を参照してほしい。

 

⑤『中学入試地理の合格テクニック100』 茂木昌彦 学研 (★★★☆☆)

 地理に関しては、いかに中学地理の基礎基本の定着度合いが高校での内容把握につながると考えている。本書は、暗記法や解法テクニックがわかりやすく載っており、表紙にも書いてあるが「目からウロコ」モノが多くて使える。

 

 地理分野の最後に述べておきたいのが、今回の専門教養の最大の失点は、この地理でもあった。上記参考書の並びを見て分かると思うが、高校レベルの問題集を地理ではこなす余裕がなく、手をつけなかった。過去問や模試でも地理に関しては、ある程度の得点が出来たのが慢心につながってしまったことが一因である。しかし、高校地理の知識レベルの落ち度もそうだが、以下のふたつに目を通さなかったことに反省をしたい。

 一.『世界国勢図会』 矢野恒太記念会編 国勢社

 二.『日本国勢図会』 矢野恒太記念会編 国勢社

 つまり、世界日本の地理に関するデータの把握である。この知識とそれを展開させる作業を怠ったせいで、落とすべきでない問題を落としたことが悔やまれる。各国の主要貿易品目や産業構成は絶対に勉強しておかなくてはならない。

 

 

以上が、〔日本史〕〔地理〕整理になる。

 

次回は、公民分野をまとめたい。

【教員採用試験対策】 筆記試験対策勉強 総整理【専門教養(社会科①)】(やったこと一覧)

それでは、専門教養(社会科)を整理しよう。

 

前回と同様に、

①タイトル、著者名、出版社、活用度(★~★★★★★)

~勉強してのコメント~

の形式で記載したい。

※社会科のため、各分野別(学習指導要領・世界史・日本史・地理・政治経済・倫理)で分ける。また、昨年度受験の際に使用した本も記述しよう。

 

 

 

 

【専門教養】

〔オール分野〕

①雑誌『教職課程2014年9月号~2015年8月号』 協同出版 (★★★★★)

 教職教養と同じく、本冊後半の「合格力育成ゼミ」コーナーの実践問題に月別に取り組んだ。分野として“小学校社会・中学校社会・高校日本史・高校世界史・高校地理・高校政治経済・高校倫理”があり、他教科と比べると社会科教員を目指す人にとっては、かなり充実した問題量である。問題の難易度は、基礎基本に徹底しており、択一問題よりも記述や論述もあり幅広い。特に7月号では学習指導要領に特化した問題構成になっていて、直前の確認としては嬉しい問題編成だった。一年間でちょうど内容を大観する計画。ただし、過去問を解けば分かるが、雑誌一年の問題だけで受かるのはあり得ないので気をつけてほしい。あくまで、出題レベルの確認程度で解くことが大事。

 

②『自治体別模擬試験』 協同出版 5月実施 (★★★☆☆)

 教職教養と同じ。協同出版は自治体別の専門教養の模試もあり充実している。しかし、過去問流用は首を傾げざるを得ない。しかたないか。

 

③『教員採用試験「過去問」シリーズ 志望自治体の社会科』 協同出版 (★★★☆☆)

 教職教養と同様のため割愛する。誤植があって、出版社のホームページで訂正を確認したこともあったため、要注意。

 

〔学習指導要領〕

①『学習指導要領解説 各編』 本部科学省 各出版・印刷会社(★★★★★)

 教職教養の整理でも述べたが、こちらも絶対必須。特に、僕の受験した自治体では、大問1,2に及んで出題されるため、確実な熟読が求められる。解説をすべて覚えることは難しいため、過去問や実践問題を通じて出題された箇所をマーカーし、傾向を分析することが大切である。実践例としては、まず冊子だと読みにくいため、文科省ホームページより転用した指導要領を各分野でA3サイズ1枚づつに出力し、全体を大観できるようにした。目標に関しては、短文のため確実に暗記し、内容項目に関しては各分野の検定教科書と照らし合わせると分かりやすい。二次試験では模擬授業等で指導要領の項目別にテーマが与えられると予想しているため、再読する予定だ。

 

 

〔世界史〕

①『詳説世界史ノート』 詳説世界史ノート編集部編 山川出版社 (★★★☆☆)

 昨年度受験の際に、約半年でこなした一冊。有名な山川の教科書『詳説世界史B』に沿った構成で基礎固めに活用。僕自身は大学受験でメインでつかった分野のため、3年経って忘れていた用語を思い出す作業が出来た。この一年ではお蔵入りしていた。

 

②『NEW青木世界史B講義の実況中継①~⑤』 青木裕司 語学春秋社 (★★★☆☆)

 大学受験での世界史参考書でおそらく1、2を争う有名な書籍。講義形式の文体は読みやすい。高校生時代に通読していたため、再読によって通史を確認した。付属CDでの年表講義は、車中や寝る前にたびたび聞いた。最近本屋に行ったら、新版が出ていたので欲しい。一体どこを新しくしたのか気になる。

 

③検定教科書『詳説世界史B』 木村靖二 佐藤次高 岸本美緒編 山川出版社 (★★★★☆)

④検定教科書『世界史B』 東京書籍 (★★☆☆☆)

⑤『詳説世界史研究』 木下康彦 木村靖二 吉田寅編 山川出版社 (★☆☆☆☆)

⑥『世界史のミュージアム』 とうほう (★★☆☆☆)

 検定教科書は新課程版を1,2冊は欲しい。③に関しては通読を最低1回はした。部分的には何度も読んでいる。④に関しては、世界史教科書の『山川東書論争』があるため一応購入。関心の高い部分だけ読み比べた。★は、あくまで活用頻度なので教科書の内容の評価ではないので悪しからず。二次試験対策の模擬授業対策する上では、やはり教科書をベースに指導案等を考える予定。⑤は③の詳説研究として有名なあの分厚い書。旧課程版しかもっていなかったためそれを活用した。新課程版は著者編者も変わっていると思う。⑥については、いわゆる資料集である。年表や図表、文化の図録を参照するとき活用した。これも高校時代に持っていたものであるので、最新版は知らない。

 

⑦『世界史年代 ワンフレーズnew』 中谷まちよ (監修)中谷臣 パレード (★★★★★)

 僕の志望する自治体に限れば、過去問を解いて分かったこととして、年代を覚えていれば世界史(日本史も)は8割とれる。そして、なぜ自分が大学受験の時、この本に出会ってなかったのか悔やんだ一冊。択一問題で最高の効果を発揮してくれる。いわゆる択一問題では年代は書いてない。出来事から年代や世紀を想起し、それを並べ替えたりする。読めば分かるが、この本の年代暗記は“歴史用語→年代”を想起するようにゴロあわせされている。試験直前ではこれしかやらなかった。

 

⑧『Winning COM.-PASS 世界史の整理と演習』 とうほう (★★★☆☆)

 高等学校でいわゆるワークとして活用されているジャンルのもの。丁度一年前の再スタート時に、2,3カ月かけて丁寧にこなした。実践問題では、私大の過去問を改題しているため難しい箇所もあるが、ほぼ基礎基本の定着を図れる。

 

 話は変わるが、僕がよく読む作家として、いま売れっ子の佐藤優氏がいるが、氏は大学受験のための学習参考書にこう評価している。

 

日本の書籍市場では、ビジネス書と学習参考書の相互乗り入れが、ほとんどなされていない。また、大学以上の教育で用いられる書籍と、高校までの学習参考書についても、まったく別扱いになっている。そのために学習参考書(特に大学受験を想定したもの)に蓄積されている優れた知的成果を社会人が用いることができなくなっている。これは大きな社会的損失だ。

佐藤優(2012)『読書の技法東洋経済 pp.120

 

 この評価指摘はかなり的を射ていて、大学合格するや否や、活用した参考書や問題集をすぐに古本屋に売り飛ばす学生がいるが(そのせいで僕が安く発掘できるメリットもあるが)、学問の基礎基本を確かめるのに学習参考書は有用性がある。むしろ、大学生や社会人はこの知的成果を総復習すべきだと思う。

 

⑨『重要用事項記入式 各国別世界史ノート』 塩田徹 永井秀樹編 山川出版社 (★★★☆☆)

 教科書は通史を大観できるが、やはり時代区分ごとに地域間を行ったり来たりするため、各国史の一貫したテーマで勉強することはやり難い。そこで各国史の問題演習が必要となる。この本は上記した佐藤優氏が推薦している問題集であったこともあり、自分が苦手な北方民族史や朝鮮史イスラーム国史などを重点的に取り組んだ。中国史に関しては頻出のため絶対に必要だ。自分は大学受験時に斉藤整(2006)『タテから見る世界史』学研を好んで勉強していたが、今回は演習を重視したために、こちらに取り組んだ。

 

 

 

以上が、〔オール分野〕〔学習指導要領〕〔世界史〕の総整理である。

 

次回は、〔日本史〕から始めよう。

 

【教員採用試験対策】 筆記試験対策勉強 総整理【教職教養】(やったこと一覧)

さて、約1年間取り組んだ勉強を総整理しよう。

そして、第二次選考対策へのモチベーションの維持に努めたい。

 

 

 

【分野】

①タイトル、著者名、出版社、活用度(★~★★★★★)

~勉強してのコメント~

 

という形式で述べたい。

 

 

 本記事は教職教養について書く。

 

 

《教員採用試験 一次選考対策 総整理》

【教職教養】

①『教職教養ランナー』 東京教友会編 一ツ橋書店 (★★★★☆)

 穴埋め書き込み式のノート。教職教養の範囲を大観しており、体系的に勉強するきっかけになる。ただし、ノートなので追加情報の書き込みは必須、つまり“これ一冊で完璧”とは到底言えない。書き込みをしまくった僕の本冊は今では辞書的存在になっている。

 

②雑誌『教職課程2014年9月号~2015年8月号』 協同出版 (★★★★★)

 教員採用試験の過去問を出版している協同出版の雑誌。内容を大別すれば、各月とも前半が教職に関する情報・教養、後半が実践問題。この雑誌を1年かけて精読すれば、教員採用試験対策のすべてを知ることが出来る。特に、自治体別のデータや最新教育情報は至極。二次試験対策のために、再読必須。

 

③『教育心理学ルック・アラウンド』 山崎史郎編 おうふう (★★★☆☆)

 ②の実践問題を解く中で、教育心理分野がまったく無知であることに気がつき、とりあえずの一冊で読んでみた。高校生レベルでも読める文章で分かりやすさはこの上ないが、正直、試験対策を考慮すると内容面では不十分。まさにルック・アラウンド(見回す)程度。

 

④『たのしく学べる 最新教育心理学』 桜井茂男編 図書文化(★★☆☆☆)

⑤『読んでわかる教育心理学』 前田基成 東條光彦編 紫峰図書(★★☆☆☆)

⑥『やさしい教育心理学 改訂版』 鎌原雅彦 竹綱誠一郎 有斐閣アルマ(★☆☆☆☆)

 ④~⑤は、③で理解できなかった各項目について補充的に開く程度。特に⑤は有名な心理学者の理論を1ページの漫画で説明している箇所は分かりやすい。おススメ。

 

⑦『日本教育少史』 山住正巳 岩波新書(★★★☆☆)

 教育心理学と同じで、教育史に関して特に日本の流れについて知りたく読んだ。日本史と照らし合わせてみれば、近現代史であり、江戸時代末期の開国~出版された1987年頃までの教育史である。東大出身で都立大(現首都大)教授であった著者は、教育の世界では有名であるが、その思想の方向性は読む人が判断すべき。明治教育の項目は要注意。

 

⑧『学習指導要領解説 各編』 本部科学省 各出版・印刷会社(★★★★★)

 絶対必須。定価も安価なので自分の受験する区分に関する範囲はすべて購入すべき。ただ、読んでて寝落ちしたことは何度かある(笑)。通読も必須だが、問題演習をして出題された箇所をマーカーなりで分析し、出題箇所=知るべき重要箇所と理解して、そこを重点的に読解する方が理にかなっている。試験会場で、最後の最後に読んでいる人が多いのもこれ。当たり前か。

 

⑨『生徒指導堤要』 文部科学省 教育図書(★★★★★)

 ⑧と同じく必携の一冊。109ページの教育相談の手法等が試験頻出との情報を得て購入。今気がついたが、索引を見て知らない用語に遭遇したら、そこを重点的に読み解くやり方が良いのではと思った。ただし、本書の一章一節一項は頻出なので熟読した。

 

⑩『教職課程 3月臨時増刊号 2016年度の教員採用試験に必ず出る問題』 協同出版(★★★★☆)

⑪『教職課程 8月臨時増刊号 2016年度 教員採用試験 直前予想問題』 協同出版 (★★★★☆)

 ⑩、⑪ともタイトル通りの強力な最終兵器。試験直前に最後の問題演習のために解いた。ここで未知のワードに遭遇した時は正直焦ったが、もはやこれまでと腹をくくってこなした。あと、この『教職課程』は誤植・訂正が多いので、各号とも巻末の内容訂正を必ずチェックするのは忘れてはいけない。僕自身、この出版社への信頼度が高いだけにこの点は看過できない。

 

⑫『教員採用試験「過去問」シリーズ 志望自治体の教職・一般教養』 協同出版 (★★★☆☆)

 言わずもがなの一冊だが、僕は過去4年しか解いていない。理由は、①時間がなかった、②過去出題された同一の問題は出ない、③法律改正等で情報が古い、の3点である。これには批判もあると思うが、あくまで過去問というものは、出題の形式、傾向の分析、そして模擬試験としての活用に有用性があると考えている。

 

⑬『自治体別模擬試験』 東京アカデミー 3月実施 (★★★☆☆)

⑭『自治体別模擬試験』 協同出版 5月実施 (★★★☆☆)

 ⑬、⑭は⑫とは違い、予想問題的な期待もあり実施した。模試の結果は、正直受験人数の少なさや、同一模試を別日程で行っているなど、大学受験時の模試のような正確さが無い点は気をつけたい。⑭に関しては、過去問を流用しており(解答は若干変化させてあるが)、過去問を解いていた人にとっては目新しさに欠ける点も多かったのではないか。 因みに、3月時点ではB判定、5月時点ではC判定でした(笑)。

 

⑮『法、施行令、施行規則、教育答申、国・自治体の教育施策など』 (★★★★☆)

 ラストはこれ。まず、問題演習、過去問演習時に出題された出典を、片っぱしからインターネットで検索して紙ベースに出力した。すると、書類整理用の大型A4バインダーがパンパンになるほどの量になる。通読は一回したが、時間の効率と記憶の定着を考えるとかなり非効率的だった。やはり、出題された箇所をチェックし、その項目や内容に関しては、熟読すべきだろう。この作業を通じて感じたのは、文科省その他教育委員会や県職員の方々の仕事ぶりの凄さだ。よくもまぁ、こんな文章つくれるなと感心と不感心を得た。

 

 

 以上が、教職教養対策のまとめである。

【教員試験採用対策】 第一次選考(筆記試験)報告

教員採用試験の第一次選考を終えた。

 

 

 

「継続は力なり」 (大正時代教育者 平松折次の標語)

「Continuity is the father of success」 (イリノイ州ことわざ)

 

 

 

何を言う、このブログの前記が2月17日なので継続もクソもないではないか、

などと自分自身への矛盾も考えてしまったが、一方、勉強の方はしてましたので

御容赦頂きたい。と述べても誰も閲覧してないので、善しとしよう。

 

 

 

さて、僕の筆記試験の自己採点の結果だが、

 

 

 

教職教養・・・正答率 8割

専門教養(社会科)・・・正答率 8割

※昨年度受験時の結果

教職教養・・・6割

専門教養(同じ)・・・4割

 

 

某公務員試験対策予備校で以前聞いた話では、

ボーダーラインが8割らしい。その情報を加味すれば、

とりあえず御苦労様でしたと自分に感謝している。

 

 

 

 

 

 

しかし、この得点を誰にどう評価されようが、自分自身では今まで重ねてきた

勉強がある程度の成果を出したと考えても妥当ではないかと判断する。

 

 

 

その勉強の整理整頓を次の記事でまとめたい。 

【教員試験採用対策】 現状分析~どう勉強してきたか?~ 《専門教養 編》(社会科)

今回は、いよいよ専門教養編社会科に関してまとめたいと思う。

 

 

教職教養編としてまとめてから、約2カ月弱の期間が過ぎてしまったが、

この期間の勉強に一息入れるためにも、冷静に自己分析をしてみる。

 

 

まず、過去問を大まかに分野別に分析すると、

 

 

 

 

問題構成】(協同出版『都道府県別年度版 教員採用試験「過去問」シリーズ』協同教育研究会編 参照)

学習指導要領

地歴・・・世界史、日本史、地理

公民・・・倫理、政治経済

東京都の社会科過去問 2016年度版 (教員採用試験「過去問」シリーズ)

東京都の社会科過去問 2016年度版 (教員採用試験「過去問」シリーズ)

 

 

であった。

 

 

 

そして、難易度的には大学入試センター試験レベルと見積もってよい。

 

 

 

 

 

以上から、学習計画を立てるにあたって、確実に次の事を念頭におかなくてはならない。

 

 

① 社会科全分野全範囲の体系的学習

② 大学入試センター試験レベルの難易度を攻略する学習

③ 中学校社会科・高等学校地理歴史・公民の学習指導要領の学習

 

 

 

このように過去問分析と学習目標を計画した上で、

実際に自分の社会科における知識レベルと比較させてみると、以下になった。

 

 

 

 

 

① 社会科全分野全範囲の体系的学習に関して

・世界史・・・高等学校で世界史B履修。大学入試にてセンター試験・私大にて選択受験。

・日本史・・・高等学校で未履修。大学入試にて選択せず。

・地理・・・高等学校で地理B履修。大学入試にて選択せず。

・倫理・・・高等学校で倫理履修。大学入試にてセンター試験にて選択受験。

・政治経済・・・高等学校で政治経済履修。大学入試にて選択せず。

 

 

② 大学入試センター試験レベルの難易度を攻略する学習に関して

・世界史、倫理・・・大学入試での勉強法の継続で概ね攻略可。むしろ、世界史に関しては私大用の難問には挑む必要なし。

・ほか分野・・・未履修の日本史に関しては、全範囲を一から体系的に学ぶ必要あり。他は、履修済のため問題練習にて適宜、各分野での再学習が必要と考えられる。

 

 

③ 中学校社会科・高等学校地理歴史・公民の学習指導要領の学習に関して

・一から全分野内容を精読の上、問題練習にて知識の定着を図る。

 

 

 

 

このように学習目標と自分の知識レベルを比較することで、

中高共通社会の専門教養に挑むための道筋が見える。

今日は、ここまでとして、次回以降に各分野の実際の学習計画および

活用している参考書、問題集、勉強の仕方などをノートテイクしたい。

※地理については、以前前述しました。

 

 

 

正直、地方国立大出身者の僕としては、大学入試におけるセンター試験的な勉強が

ある程度そのまま活用できるのは、本当にありがたいと考えている。

 

 

それ以上に、感謝すべきなのは、僕が高校生であった当時は、

いわゆる“社会科の未履修問題”が話題になっていた時分で、他所の学校を覗けば、

平気で単一分野しか学習させていなかった高校もあったが、

我が母校はしっかりと、選択科目まできめ細やかに履修させてくれたことだ。

 

 

その結果として、今回の学習計画を立て実行する上で、自己分析をより綿密に出来たことは言うまでもないだろう。